祇園エリアの採用を一手に担いつつ、人事業務やホステスのマネジメント、『Club MILANO(ミラノ)』のオペレーションなど多方面で活躍されている小山さん。グループ全体の管理部からも「祇園のリクルート活動で何かあれば、まず小山さんに相談」と頼られる存在です。さまざまな役割を担い、頼られる小山さんですが、実は「辛かった時期」も経験されています。今回は小山さんに、苦境を乗り越えられた理由やカイザーグループの魅力などを語ってもらいました。
救ってくれたのは、カイザーグループの人間味。
──カイザーグループに来られるまでのご経歴を教えてください。
元々野球に打ち込んでおり、大学時代にはインフラ系の大手企業に「社会人野球の選手」として内定が決まっていました。ただ、3~4年生の間は「練習生」のため無給で、その間の生活費を両親からの仕送りでやっていくのは申し訳ないなと思ったのです。そこで、トレーニングと両立できるような深夜の高収入アルバイトを探し、出会ったのが歌舞伎町のキャバクラでした。2年間続ける中で、業務の面白さや将来の野球人生の可能性、自分自身が「プレイヤーより、マネジメントの方が好き」といった性格などを加味したところ、キャバクラの正社員になることを決心。そしてキャバクラの歴史など、さまざまな情報を一から調べ直して、元祖とされる東京の店舗に就職しました。
──カイザーグループを選んだ理由や、第一印象などをお聞かせください。
両親の体調の都合で「地元の関西に戻ろう」と考え、転職先を探しているときに目に飛び込んできたのが祇園最大級の店舗『華小町』でした。同店舗の名前やカイザーグループは、東京時代から耳にしており、ちょうど大きな店舗で働きたいと思っていたので迷わず応募。面接が終わり、条件面などのすり合わせのために『華小町』の営業時間に招いていただき、フロアも経験させてもらいました。第一印象は、落ち着きと風情のある店構えですが、中に入ると一変して華やかな雰囲気という「ギャップ」に趣深さを感じたことを覚えています。客席はほぼ満席の大盛況でした。
──転職されて感じたカイザーグループの魅力や、印象的だった出来事はありましたか?
やっぱり「人間味」が魅力的ですね。実は去年の今ごろコロナに発病し、両親の体調を悪化させてしまい、肉体的にも精神的にも相当滅入っていました。そのときは、店舗のメンバーに大きな迷惑をかけてしまったのですが、顧問を筆頭に幹部の方たちが来て話を聞いてくれて、両親の心配もしてくれたのです。おかげで本当に救われました。正直なところ1人で抱え込んでしまって、自暴自棄な精神状態にまで追い詰められていたので、その優しい心遣いがなければここにはいられなかったと思います。
入社後の活躍を見据え、未来志向で採用を。
──祇園エリアの採用担当者として、どのような面接を心がけておられますか?
スタッフとして応募してくれた求職者の面接に対応し、合否を判断しています。面接では履歴書の「長所」や「短所」を掘り起こしてコミュニケーションをとることも多いですね。たとえば、短所でいうと、「人見知り」と書かれているのに実際はとてもフランクなタイプだったり、「面倒くさがり」とあるのに履歴書にびっしりと綺麗に内容が書き込まれている学生がいたりします。そんなときに、事実をベースに「全然ちゃうやん!(笑)」と褒めることも。「夜の仕事は怖そう」と印象をもたれる方もいるので、「このお店で働いたら、楽しそう」と少しでも感じてもらえるように、心がけています。
──どのような方を採用されているのか教えてください。
店舗で活躍してもらえるイメージをもてる方でしょうか。例えば「しっかりとしていて、落ち着いている」というタイプであればフロントを、「愛想が良い」という方にはフロア業務、「理数系で機械が得意」であればパソコンを使う仕事など、適正に応じたポジションで力を発揮して欲しいので、どのような適性があるかを見ています。あと、質問をすると「学生のうちに、社会人になったときに役立つ礼儀を学びたい」といったポジティブな理由で応募する学生や、「黒服になりたい」といった明確なビジョンを持っている求職者もいるので、その場合はなるべく一人ひとりの特性や意向に沿うようにしています。
──採用業務をしていて「良かった」と感じたエピソードはありますか?
採用したスタッフたちが成長し、できる業務が増えていく様子などをみると、私もうれしくなります。エピソードとしては、最初はちょっとのんびりしたタイプのスタッフが、緊張感ある環境のなかで仕事に情熱を持ち、自分から進んで行動するようになりました。今ではその店舗のキーパーソンとして頼られる存在です。
「利他の精神」を意識し、日々磨いていく。
──カイザーグループ独自の育成システムについて教えてください。
未経験者を積極採用している当社では、教育体制を万全にしています。例えばアルバイトの新人スタッフに対して1人の「メンター」が付く制度を導入し、「AさんとBさんで、教わったことが違う」というブレやヌケモレをなくしました。メンターはまず挨拶や所作、歩き方やお辞儀の角度といった初歩的な30項目を20日間かけてレクチャー。礼儀や礼節をしっかりと身に付けられる研修システムを構築しています。メンターは手当が支給され、フロアスタッフはベスト着用までですが、特別にジャケットを羽織って業務をしています。そこにカッコよさや魅力を感じて頑張る原動力にしている学生も多いです。
──採用以外の業務で感じた、醍醐味ややりがいなどを教えてください。
ホステスのマネジメントでは、「何のために働いているのか?」を的確に把握した上で最適解を提案。といっても高過ぎるハードルではなく、例えば“稼ぐ”のが目的であれば、「チャンスを増やし機会損失を減らすために、なるべく出勤する」といったできる範囲のことです。頑張った末に「目標の数字を達成した!」と喜んでいる姿を見られるのは、仕事のやりがいの1つになります。あとは、実務面以外で「心を磨く」ことも重要です。特に相手を自分よりも優先し、相手のために動くという「利他の精神」については当社に来て意識するようになり、徐々に身に付きだしました。ただ、まだまだ足りていないと思うので、日々精進中です。
やりがいを感じたエピソードとしては、先日スタッフのメンバーみんなで出かけてバーベキューをしたのですが、普段とは違うメンバーの表情を見ることができて、お店では話さないようなプライベートな話題で盛り上がりました。そのときにふと「一緒にやってて、遊びに来れて良かったな」と思いましたね。