あの時の、温情や優しさ。それに報いるため、さらなる高みに店舗を導く。

この記事は約6分で読み終わります。

高校卒業後、アミューズメント業界や居酒屋などで勤務されていた池田さん(33歳)。2020年のコロナ禍中にご入社され、カイザーグループの危機を支えてきた古参社員のお一人です。そんな池田さんですが、一度離職された後、復帰されたという経歴をお持ちです。現在は店長として指揮をふるっておられる池田さんに、お話を伺いました。

コロナ渦中での、迅速かつ誠実な対応に「信用できる会社」だと確信。

──カイザーグループに入社されたきっかけを教えてください。

27歳のときに「努力や成果が報われる会社で、もっと稼ぎたい」と考えて転職先を探していたところ、たまたま当社の人事の方と御縁があり、相談したところ誘って頂きました。実は面接に伺う当日まで、「黒服は強面タイプじゃないと、向いていないのではないだろうか?」など、緊張していたことを覚えています。ただ、面接をしてくださった金田さんは緊張を解きほぐすように、親身になって話を聞いてくれました。周りを見渡しても、みんな「カッチリしたビジネスパーソン」といういでたちだったので、安心して入社を決めました。

──入社後、どんな印象を持たれましたか?

ちょうどコロナ禍が襲ってきた「緊急事態宣言4日前」というタイミングで入社しました。お客様がほとんどおられないという状況で、お店は大変だったのですが、私個人としては仕事をマンツーマンで基礎から教えてもらえる機会になりました。今もその経験が土台になっています。あとは、そのときのカイザーグループの意思決定の早さに、深い感銘を受けました。「4日勤務」のあと、2ヶ月待機という時期があったのですが、待機中のお給料をしっかりと頂けたのはもちろんのこと、リアルタイムで「別のエリアでの勤務に向けて動いている」とこまめに連絡をいただきました。会社として誠実な姿勢が感じられ、世の中が混乱している中でも「安心して働ける会社だな」と確信した記憶があります。

──実は、一度カイザーグループを離れられたことがあるそうですね。

一昨年前のことですが、店長という重責を任せてもらって高い給料を頂いていました。ただ、「今の自分は、待遇や高収入に相応しいパフォーマンスが出せているのだろうか?」と勝手に悩んで、自分で抱え込んでしまったのです。誰かに相談できるような精神状態ではなく、さらにプライベートでの逆境も重なってしまい、「会社と連絡を断つ」という判断をしてしまいました。会社の皆さんから心配の連絡を頂いても、返信できない状況が続いてしまいました。ただ、採用の電話が私になっていたので「ホステスになりたい」といった連絡が来たときは、店舗につなげるという最低限の役割だけは果たしていました。

「倫理や規律を優先した経営戦略」で、フェアなビジネスを貫く。

──山本顧問(当時、店長)からの説得で復帰されたと伺っています。

きっかけは、あるホステスからの「結婚することになって、寿退社する」というメッセージでした。会社との連絡を絶っていた私ですが、「結婚という人生の門出」に対して、何も返さないというのは、自分の哲学に反する行為でした。そこで女性に「おめでとう」の電話を入れたところ、たまたま山本顧問が近くにおられたのです。その女性を交えて1時間ほど近況報告などをしていたところ、「今度、ご飯に行こう」と誘っていただきました。そのご飯の席で、「戻ってこないか?」とお声掛けを頂いたのです。

自分の中で「生きていくために、このままではいけない」という気持ちがあり、友人などからも有り難いことに「良かったら、うちにおいで」というお誘いを受けていました。そのお話をしたところ、「他で仕事をすることになっても、応援するよ」とおっしゃって頂きました。その言葉は本当に涙が出るぐらい身に沁みました。その言葉を伺って「自分の不義理に対して、仕事で恩返ししたい」と復帰を決意しました。また、戻るにあたって山本顧問が、私の知らないところで、上層部などに頭を下げてくださっていたであろうことも、身近で顧問の姿を見てきた私にとっては容易に想像できました。「ここからは、結果で応えるしかない」そう覚悟を決めて、再出発を選びました。

──現在店長として活躍されています。心掛けていることはどんなことでしょうか?

山本顧問から受け継いでいる「倫理や規律を優先した経営戦略」を方針として掲げています。といっても難しいことを押し付けるわけではなく、「人に迷惑をかけない」「時間を守る」など当たり前のことの徹底です。そのために心掛けているのが「目配りや気配り」で、細かいことであっても放っておくことなく、その場で指導するようにしています。「夜の商売だから、緩く働いてイージーに稼ぎたい」というような人材は、当店では絶対NGです。

人材育成に注力することで、仮に当社を卒業したとしても、立派なビジネスパーソンとして活躍できるように成長を促進しています。そうすることで、カイザーグループの評判が、自然と社会の中で上がっていくと信じているからです。企業である以上、利益の追求は重要です。しかし、「フェアなビジネス」でなければ、信用の創造にはつながりません。私たちは、ホステスや黒服一人ひとりと真摯に向き合い、経営方針を浸透させるとともに、何かあったときには全力でサポートする体制を整えています。

自然発生的に生まれた雰囲気の輪を活用し、「一体感」を醸成する。

──店長のやりがいを教えてください。またカイザーグループの魅力は、ズバリどこにあると感じますか?

ワンチームとなり、店舗を繁盛させることが私のやりがいです。そのために、みんなで同じ方向を向くことをサポートするため、私も積極的に輪の中に入るようにしています。ただし、店舗としての「一体感」を醸成させる上で注意している点は、「こちらから強制しない」ことです。あくまでも自然発生的に生まれた雰囲気を利用して、全てのスタッフがその雰囲気に溶け込めるように促すというイメージで取り組んでいます。

当社の魅力としては、挫折した自分を受け入れてくれた会社なので、一番は「温かさや人情」にあると感じます。会社組織としても、統制や規律が取れ、組織化されているので「安心して働ける」という魅力がありますね。

──今後の展望をお聞かせください。

「地域一番」の地位を確立しているアンジュール店を、「フェアなビジネス」でさらに繁盛させることが目標です。あと、東京の六本木に同じ名前の店舗のオープンが決まっています。経営陣が肝入りで推進している出店なので、アンジュールの名前を背負っている気概を持って、これまで以上に店舗運営と信用創造に尽力したいと考えています。