笑顔を武器に、飲食店の店長時代に培った経営目線やキャッシュフローの習慣を活かす。

この記事は約5分で読み終わります。

飲食店での社員や店長経験を経て、約2年前にカイザーグループに転職された、現在27歳の村井さん。現在はマネージャーとして力を奮っておられます。今回はそんな村井さんに、「店長のキャリアが活きている点」や「仕事で意識されていること」などを伺いました。

「もっと自己成長できる場に飛び込みたい」と、キャバクラの世界へ。

──これまでのご経歴と、キャバクラの仕事に転職されようと思ったきっかけを教えてください。

学生時代はサッカーに打ち込み、スポーツ推薦で進学した大学で経済学を専攻。卒業後は、アルバイト先だった北新地にある会員制の和食店で正社員になりました。その後、お世話になっていた先輩から誘われ、ミナミの焼肉店の立ち上げに参画。さらに新業態として展開された野菜をメインにした和食店のオープニングにも加わったのですが、コロナ禍で厳しい状況になり、元の焼肉店に戻り勤務していました。飲食では店長を任せてもらっていたので、仕事は面白く、やりがいも感じていたのですが「もっと自己成長できる場に身を置きたい」と、徐々に考えるようになったのです。そんなときお客様から勧めてもらったのが「キャバクラ」で、華やかな業界に興味もあったことから、飛び込むことを決意しました。

──カイザーグループに入社することになった、決め手を教えてください。

求人を閲覧していると、ちょうど『バロンレックス』のオープニングスタッフを募集している情報が目に飛び込んできたので、すぐに応募のボタンをクリック。ただ、業界に飛び込むことを決意していたものの、実は面接に行くまで「黒服は怖い人が多いのでは?」といった先入観がありました。しかし、面接はとても穏やかで、丁寧な言葉づかいの中に私に対する配慮などが垣間見えるなど、紳士的に接して頂いたことを覚えています。それで不安は吹き飛び、さらに入社後に一人ひとりの成長を促す体系立った研修などを受ける中で、先入観は完全に払拭されました。

──飲食店での店長経験が、活かされていると感じる点をお聞かせください。

「キャッシュフロー」の面ですね。「原価と経費を計算し、損益分岐点を導き出す」「収益構造を最大化する」といった、利益ベースを起点に物事を考える習慣や視点が土台にありました。当店の場合であれば、「ホステスの売上を伸ばすことが、店舗の収益向上に直結していること」を、理屈より先に感覚的に捉えることができたのは、前職での経験のおかげだと思います。あとは前職で学んだ教育手法を取り入れ、「怒らないマネジメント」を徹底しています。たとえば「遅刻」など、どうしても指導が必要な場合であっても原因の追求を優先し、それを取り除くような“本質的な解決”を目指します。これは、自分自身が「感情的に一方的に叱られる」ことがあっても改善にはつながりにくく、逆に「褒めて伸ばしてもらう」ことで即行動に移せたという実体験から、このようなマネジメント方法を実践しています。

マネジメントを通じて売上を伸ばし、店舗の魅力を向上させる面白さ。

──黒服として活躍されている中で、意識されていることや気を付けていることはなんでしょうか?

お客様に対しては、「聞き手に徹し、お話を伺う」という点です。高額な対価を頂いている以上、フロアで楽しんで頂くのはもちろんのこと、お帰りの際にも心地よく感じてもらえるように心を配るのが黒服の役割だと認識しています。ホステスについては、雰囲気や顔色を常に意識していますね。たとえば、「待機中」のホステスの場合、どうしてもモチベーションは下がってしまいがちなので、積極的にコミュニケーションをとるようにしています。そのとき、直接仕事のことには触れずに、プライベートな話などから徐々に心を解きほぐしていき、笑顔になるのを待ちます。その上で、「どんなに可愛い女の子でもやっぱり待ちの姿勢よりは、連絡された方が男性はうれしいと思うよ」といった、具体的なアドバイスをするように心掛けていますね。

──お客様と接する中で「この仕事のおもしろさ」を感じる瞬間はどんなときですか?

ホステスをマネジメントする中で、売上を伸ばすことに貢献できるのが一番のやりがいですね。ホステスが「過去最大の売上を叩き出した」という結果が出たときは素直に嬉しいですし、目標を立てて努力しているプロセスを応援することも、この仕事のおもしろさです。また、今トップクラスの成績を誇るホステスを任されており、そのおかげで「1,000万円のシャンパンタワー」といった特別な体験ができています。売上の高いホステスのマネジメントを担当すると、短期間で幅広い経験を積むことができるので、そうした機会に恵まれていることに感謝しています。また、お客様から名前で呼ばれたり、「村井さんに会いに来たよ」と言われたりすることも、とてもうれしく思います。

ゆくゆくは店舗運営に携わりたい。そのために、スキルと人間力を磨き続ける。

──「愛嬌ある」「親しみやすい」と評判の村井さんですが、その強みの源泉と、日々の業務でスキルアップに向けて努力されていることを教えてください。

「常に笑顔でいること」には気を配っています。前職も手元でお料理を作りながら、お客様との会話を楽しむ、カウンターのお店だったので「愛嬌の良さ」は必須でした。ただ、私の場合は「地顔が笑顔」なので、あまり無理をしている感覚はありません(笑)。スキルアップについては、アルバイトから社員になり、「毎日が修行中」という認識ですが、一例を挙げると「富裕層であるお客様に合わせて、知識の引き出しを増やすこと」でしょうか。お話を伺う中で、相槌一つとっても当意即妙な返答が求められます。また、社会的ステータスが高い方が多いだけに、会話の内容を把握しておかなければ「どれだけ凄いお話なのか?」の理解が及びません。そのために、普段の会話から学ぶのはもちろんのこと、積極的に世の中の情報にアクセスするようにしています。

──今後のキャリアビジョンをお聞かせください。

まずは上の役職を目指し、ゆくゆくは店舗運営を任されるようになるのが目標です。ポジションが上がる毎に責任やプレッシャーも増えると思いますが、それ以上にやりがいや達成感が増加するであろう期待に気持ちが高まります。そのためにも、日々の業務をきっちりと推進して技量を上げるとともに、周りから信頼されるような「人間力」を磨き続けることが必要だと考えています。