「フロント」「ホール」といったポジションを経験し、着実にスキルアップを重ねている『Baron REX(バロンレックス)』の村井さん。中でも「富裕層のお客様への対応力」に定評があります。今回はそんな村井さんに、富裕層の方との会話術の秘訣や、スキルアップの過程などについて語ってもらいました。
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「あなただから任せたい」という言葉と姿勢で、信頼関係を紡ぐ。
──富裕層のお客様との会話術を習得するために、どのような工夫をされていますか?
「聞き手に徹する」ことを心がけています。周りからも「何を話していいかわからない」という相談を受けることがありますが、「自分のことを語るのではなく、お話を伺うスタンスが大切」と助言しています。お客様の言いたいことを把握した上で、質問しながら深掘りしていくイメージで、ときにはオーバーなリアクションをとるのもポイントのひとつです。
深掘りの秘訣としては、例えば「こんな成果を残した」という話題の場合、その規模感やインパクトなどをさりげなく引き出します。すると、周りのホステスたちから「すごい!」という驚きや称賛の声が出て、お客様の満足度が高まるのです。また、私もそうでしたが、最初は富裕層のお客様と接することに物怖じすることもあるでしょう。しかし、半年ほどで慣れてくるので安心してください。あとは常に笑顔で接することを忘れなければ、バッチリです。
──スキルアップや業界知識の習得に向けて、どんな方法で学んでいますか?
日々実践しているのは上司や先輩の姿を見て、立ち振る舞いや言い回しなどを吸収することです。業界知識については、最近はキャバクラの世界もメディア展開や露出が増えたので、「YouTube」や「Instagram」を毎日チェックし、競合他社の動向にも目を光らせています。「活気あるお店づくり」や「黒服の言葉遣い」など参考にできる部分が多いですね。
ほかには、自分がやったことのないポジションの先輩たちに、業務内容や心構えなどを積極的に聞くようにしています。もちろん、実際にその仕事を担当するには経験が必要になりますが、挑戦したい気持ちを応援してくれる会社なので、「このステップにいくためには、これを覚えよう」と具体的かつ丁寧にレクチャーしてくれます。前向きにキャリアアップに励める環境です。
──キャリアビジョンを描く上で、最も大切にしている考え方や価値観を教えてください。
黒服として信頼されることです。黒服がきっちり振る舞うことで、お客様やホステス、アルバイトから愛されるようになります。それがひいては、カイザーグループ全体への信用創造につながると感じています。とはいえ一朝一夕に信頼を得ることはできません。例えば仕事をお願いする際には、雑な態度や相手を利用するような言葉遣いはNGです。あくまでも「あなただから任せたい」という気持ちを伝えることで、コツコツと信頼関係を築いていきます。
常にフェアなスタンスを貫くとともに、バランス感覚を磨く。
──信頼される「人間力」を磨くため、どのような努力をしておられますか?
人から愛され信頼を得るための人間力は、極めて重要な要素です。ただ、その土台となるのは、「期限を厳守して仕事を全うする」といった当たり前の日常の積み重ねだと信じています。信用を得る過程は大変ですが、失うのは一瞬です。そのため、丁寧な対応などを怠ることがないように、日々肝に銘じています。あとは、上司や先輩からのアドバイスはキャリアアップのみならず、人間力の研鑽にも役立っていると実感しています。例えばホステスのマネジメントであれば、一貫性を持つというスタンスが、周りからの信頼に結びつくことを学びました。
担当するホステスの中には、「高い売上を誇る」「ちょっと厳しい」などさまざまなタイプがいます。するとどうしても会社への貢献度に応じて、特別扱いしてしまいがちです。しかし、長期的視野に立つと、全員に対してフェアな姿勢を貫くことで、周りからの信頼へとつながるのです。一方で、努力して成果を出したホステスに対しては裏でしっかりと褒めるのも大切なので、そこはバランス感覚が求められることも教えてもらいました。
──成長過程で感じた困難や、乗り越えたことで得られたスキルについてお聞かせください。
キャバクラという業態では、決まり切ったやり方がないのが特徴です。お客様もホステスも黒服も全員「人」であり、状況も刻々と変化するため難しい局面を迎えることもあります。また、ポジションごとに求められるスキルは違うため、着実に身につけていくことが大切であり、その過程で大変さを感じることもありました。しかし、「フロント」と「ホール」を経験したことで、お客様の想いやニーズを推し量るスキルが徐々に磨かれたと実感しています。
お客様とホステスをマッチングさせる「指名係」は、難しいからこそ挑戦したい花形ポジション。
──これから挑戦したいことは何でしょうか?
今私が目指しているのは「指名係」という花形のポジションです。「お客様の好み」「ホステスの特性」などを把握した上で、マッチング率を上げていくことが必要とされます。「指名が被る」といった事態が起こっても臨機応変に対応するなど、目先の売上アップだけではなく、数ヶ月先の売上も見越した行動が求められるという難易度の高さがある仕事です。「雰囲気を読み取る能力が不可欠」「正解がない」など難しいポジションですが、だからこその“花形”であり、挑戦のしがいを感じています。
──今後のキャリアビジョンを教えてください。
『Baron REX』で、副店長や店長へとキャリアップしていくのが目標です。そのためにも指名係をはじめ多様な経験値を積むことが必要だと考えています。想定しているキャリアビジョンは、30歳までに店長になることです。その後は、北新地で培った知見を礎として、「(カイザーグループが先日進出した)東京で勝負したい!」という気持ちもあります。